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知識ゼロからの金投資①:金地金

金投資を始めるにあたって、まず理解しておくべき基本的な用語や概念について解説します。
金地金は、投資対象として非常に人気があり、主に長期的な投資対象として流通しています。
ここでは「金地金」について詳しく見ていきます。


1.金地金とは

金地金は「きんじがね」と読みます。
金地金とは、保管しやすいように変形させた金の塊のことを指します。
金の延べ棒、ゴールドバー、インゴットとも呼ばれますが、ここでは金地金に表記を統一して説明します。

2.金地金の刻印

金地金には、以下の内容が刻印されています。

  • 商標(企業登録マーク)
  • 重量表示
  • 素材表示
  • 品位(純度)表示
  • 精錬・分析者のマーク
  • 金塊番号

金地金の刻印は保証書の役割も果たしており、金市場の公認を得たものかを判断することができます。
金地金に刻印される主な内容は以下の通りです。

1. 商標
地金販売元のブランドをあらわします。
2. 重量表示
地金の重量を表します。
3. 素材表示
地金の材質を表します。
4. 品位表示
地金の純度を表します。
表記法は千分率:999.9(=99.99%)です。
5.製錬・分析者マーク
製錬業者や検定分析業者を示すマークです。
6.金塊番号(バーナンバー)
いわゆる金地金の登録番号です。
製造ロットや鋳造日を含む一意の番号が振り分けられ、同一の番号は存在しません。

2-1.商標(企業登録マーク)

金地金を製錬した業者のブランドをあらわします。
世界の金地金の基準となるLBMA(ロンドン地金市場協会)の厳しい基準に合格した認定ブランドには、ロンドン金市場の公認マーク「メルターズマーク」が刻印されます。
このようなLBMAの基準に合格している金地金をグッドデリバリーバー(Good Delivery Bars)と言います。
認定ブランドの刻印がされているグッドデリバリーバーは、世界中で安心して取引が可能です。

日本でLBMAの認定を受けている企業は、造幣局を除くと次の10社となります。(2025年4月1日現在)

         
pic_gold_brand_mitsubishi.gif pic_gold-brand_nihon_material.jpg pic_gold_brand_tokuriki.gif pic_gold_brand_sao.gif pic_gold_brand_tanaka.gif
三菱マテリアル 日本マテリアル 徳力本店 住友金属鉱山 田中貴金属工業
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アサヒプリテック 三井金属鉱業 石福金属興業 松田産業 JX金属

参照 LBMA:Good Delivery Current List – Gold

2-2.重量表示

重量表示には「g(グラム)」、「kg(キログラム)」、「oz(オンス)」などがあります。
主に取引されるのは1㎏単位ですが、500g未満のスモールバーでも少額から購入可能です。
ただし、500g未満の金地金を取引する際には、スモールバーチャージという手数料が必要になります。

2-3.素材表示

素材の刻印は品位(純度)セットで地金の価値を保証します。
素材表示の「GOLD」は「金を素材としている」ことを意味し、特に「FINE GOLD」は「純金を素材としている」ことを意味します。しかし、後述しますが「FINE GOLD」と刻印されていても純金ではないことがあるため注意が必要です。

2-4.品位表示

品位(純度)は千分率で表示されます。「999.9」は999.9‰=純度99.99%を示します。
「品位」と「純度」は基本的に同じ概念を指しますが、厳密には次のような使い分けが存在します。

品位は法的拘束力があり(不正表示で5年以下の懲役)、純度は民事責任となります。

品位 金含有率を法定基準に基づく等級で表現 | 法律文書・認証書類 | LBMA認証金塊の「995.0」など
純度 金含有率を数値で直接表現する一般用語 | 日常会話・商品説明 | 純度「99.99%」「K24」などの広告表示
💡宝飾品の純度を示す単位にはカラット(K)もあります。

換算基準:1カラット=4.1666%(24K=100%、18K=75%)
K24(純金): 99.99%〜100%の純度を持つ金。最も高価で、柔らかく加工しやすいが、傷がつきやすい特性があります。

K22: 約91.67%の純度。残りの約8.33%は他の金属で、耐久性が向上します。金貨によく用いられます。

K18:75%の純度。残りの25%は他の金属で、耐久性が向上します。宝飾品に広く用いられます。

K14:約58.5%の純度。さらに硬く、日常的に使用されるアクセサリーに適しています。

K10:約41.6%の純度。価格が抑えられ、硬度が高いため、日常的な使用に向いています。

2-5.製錬・分析者マーク

「MELTER(メルター)」は製錬業者、「ASSAYER(アッセイヤー)」は検定分析業者を示す刻印です。
基本的には同じ業者が製錬・分析を行いますが、地金販売元の商標(ブランド)以外の製錬・分析者マークが刻印されている場合は、販売元とは別の業者が代理で製錬や品位検定を行ったことを示します。

2-6.金塊番号

金塊番号(バーナンバー、シリアルナンバー)は、金地金の商品管理目的で付けられている数字となります。
金地金の金塊番号の主な目的は、どの金地金であるかを確認することです。同じ番号の金地金は存在しないため、店頭や業者での商品管理に役立つ他、盗難時には番号を使用してそれを追跡し、正当な所有者に戻すことができます。
言い換えれば、金塊番号は偽造や盗難を阻止するための重要なセキュリティ機能です。


3.実際の金投資時の注意点

3-1.素材表示と品位表示

前述したように「FINE GOLD」(純金)と刻印されていても純金ではない場合があります。
「FINE GOLD」はあくまで「純金を素材としている」ことを示す刻印であり、純度の保証は品質表示で行われます。
投資用の金塊は厳密に規格が定められており、この問題は起こりませんが、金貨では次のようなケースがあります。

例えば、南アのクルーガーランド金貨は、純金でありませんが、「FINE GOLD」と刻印されています

クルーガーランド金貨は金額表示のない1オンス金貨です。

正確に1オンス(約31.1g)分の純金が含まれているため「FINE GOLD」と刻印されています。
しかし、実際の質量は1.0909オンス(約33.93g)で、純度はK22(純度91.67%)です。

同様に純金でなくても「FINE GOLD」と刻印された金貨にはイーグル金貨やインディアン・ヘッド金貨などがあります。

純金は柔らかすぎるため、他の金属を混ぜて耐久性を高めることがあります。
この場合、純金でなくても、純金の金貨と同じ分量の金が使用された金貨として「FINE GOLD」と刻印することがあります。

このようなケースがあるため、基本的には品位表示の「999.9」と素材表示の「FINE GOLD」や「GOLD」の両方が刻印されていて初めて純金であると判断します。

また、宝飾品や時計では一部のパーツでのみ純金が使用され「FINE GOLD」や「999.9」が刻印されるケースや、品位は正しくても重量が表示と異なるケースなどがあります。金地金以外の宝飾品や時計を投資対象としてお求めになる際には、刻印を鵜呑みにせず、実際に使用されている金の重量まで確認することが推奨されます。

3-2.金地金の種類

金地金のサイズには次のものがあります。

「ラージバー」(12.5kg)
「キロバー」(1kg)
「グラムバー」(500g)
「スモールバー」(500g未満)

国内では主に、1kg、500g、100g、50g、20g、10g、5g、2g、1gの10種類が流通しています。
主に取引されるのは1kg単位ですが、500g未満のスモールバーでも少額から購入可能です。
ただし、500g未満の金地金を取引する際には、スモールバーチャージという手数料が必要になります。

3-3.スモールバーチャージ

スモールバーチャージは、500g未満の金地金を購入する際に発生する追加手数料です。
この手数料は、製造や流通にかかるコストをカバーするために設定されています。
購入する際には小さく分割する加工の手数料が、売却するときには標準の地金に戻す加工の手数料がかかります。
4月1日時点の国内大手地金商でのスモールバーチャージは以下の通りです。

品目 スモールバーチャージ
1kgバー 0円
500gバー 0円
100gバー 6,600円
50gスモールバー 5,500円
20gスモールバー 3,850円
10gスモールバー 3,850円
5gスモールバー 3,850円

スモールバーチャージは販売業者によって異なるため、事前の確認が大切です。


4.まとめ

金地金は、金投資を始める際の基本的な商品です。
金地金には、以下の内容が刻印されています。

  • 商標(企業登録マーク)
  • 重量表示
  • 素材表示
  • 品位(純度)表示
  • 精錬・分析者のマーク
  • 金塊番号

金地金は刻印を確認することで、取引できるよう規格化されています。
特にLBMA認定ブランドの刻印がされているグッドデリバリーバーは、世界中で安心して取引可能です。

金貨や宝飾品、時計などは、金が表示通りに含まれているかをお取引前に確認することをお勧めします。
金は分割して小口の取引を行うことも可能です。
しかし、500g以下に分割して取引する際にはスモールバーチャージという手数料が発生します。
手数料の金額は業者によって異なるため、事前に確認することが大切になります。

 

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